識者選定。ハリルジャパンに最も適合する「ベスト11」

  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

宇佐美はトップ下で起用するのがベスト
鈴木正治(サッカー解説者。元横浜マリノス、名古屋グランパス)

鈴木氏が選出したメンバー。鈴木氏が選出したメンバー。 ハリルホジッチ監督が志向するサッカーを考えれば、選手に求められるモノは、“タテの速さ”と“球際の強さ”。そして、4-2-3-1か、4-3-3という基本システムを採用する中で、最も重要な役割を担うことになるのは、ボランチのふたりだろう。それぞれ、高いボール奪取力と、ボールを奪ったあとの攻撃参加という、攻守両面における活躍が期待される。

 そうすると、本来であれば、長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)あたりがファーストチョイスになるかもしれないが、先を考えれば、青山敏弘が適任。相手を潰せて、タテへの展開の速さもある。3月の親善試合では、ウズベキスタン戦(5-1)に先発して、豪快なミドルシュートを放って先制ゴールを決めた。素早いタテパスだけでなく、自ら前に出て行けて、シュート力があるのも魅力だ。

 パートナーは、柴崎岳。もっと“強さ”が出てくれば申し分ないが、パスの狙いどころなど、サッカーセンスは抜群なだけに、今後の期待を込めて抜擢したい。実力の高さは誰もが認めているところだし、ずっと試合で使っていけば、難なくこなせるはずだ。

 ボランチに次いで大事なのは、前線の両サイドのアタッカー。ここからどうやって決定機を作っていくかが、ブラジルW杯に挑んだザックジャパンのときから、日本の課題となっている。大事なのは、タテの速さはもちろんのこと、個で状況を打開できる力があるかどうか。アジアでは相手が引いてくることも多く、常にカウンターを狙えるわけではないのでなおさらだ。

 そこで、左が乾貴士、右が武藤嘉紀という人選でいきたい。3月の親善試合でも、ふたりはチームの動きの中でよくフィットしていた。それぞれ突破力もあって、試合を重ねていけば、もっともっとチャンスを作れるようになると思う。

 宇佐美貴史は、中央に配置。サイドに入っても仕事はできると思うが、中央からサイドに流れたり、サイドから中央に入ってきたりして、自由にやらせたほうが、彼の仕掛けや鋭いドリブル突破が一層相手の脅威になるはず。そして何より、彼の決定力を生かすなら、トップ下に入るのがベストだ。

 あと、FW本田圭佑(ミラン/イタリア)、香川真司(ドルトムント/ドイツ)は、思い切って控えに回す。独特なリズムを持っている彼らがあとから出てくることで、思わぬチャンスが生み出せる。豪華なオプションとして使ってみるのも悪くはない。

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