3連勝もリオ五輪は大丈夫か。手倉森ジャパンの大問題 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 申し訳ないが、世界と向き合う上で、これはかなり初歩的なミスである。ハリルジャパンへの関心が高まる中、こちらは誰からも注意されず、野放しにされたような状態にある。しかも五輪本大会出場の門はW杯本大会出場の門より遙かに狭い。アジアに与えられたW杯本大会の出場枠は現状4.5。これに対して五輪はたったの3。遙かに狭き門だ。

 手倉森さんでは難しい。本来50%ぐらいある出場の確率が、それこそ半減してしまいそうである。

 A代表の監督を外国人が務めることはもはや常識になっているが、五輪チームの監督は日本人が慣例だ。しかし、監督の手腕が直結するのはむしろこちら。五輪に力を入れるならこちらも外国人監督にすべきなのだ。

 リオの次に控えるのは2020年東京だ。日本サッカー界はこれとどう向き合うつもりなのか、いますぐにでもハッキリさせた方がいい。東京五輪にどれほど力を入れようとしているのか。他競技と同じように前向きに臨むなら、それに向けた取り組み、特別プロジェクトのようなものを編成すべきである。A代表と同じくらいの、いや、決して高くない選手の質を考えればそれ以上の強化方針で臨むべきではないか。

 五輪チームにも優秀な監督は不可欠。真ん中に突っ込んでいき、あっさり奪われ、逆襲を許す愚行を見せられると、その思いは確信に近づくのだ。

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