新指揮官ハリルホジッチは「オシム+トルシエ」タイプ (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 確かに「細かい」という印象は練習を見ていても伝わってくる。例えば、ウズベキスタン戦の前日練習でのことだ。

 ピッチ上には練習で行なうハーフコートゲーム用に、すでにポールが立てられていたのだが、ハリルホジッチ監督は自ら歩測し、「位置が違う!」と、スタッフを呼んでポールを置き直させるという場面があった。

 FW本田圭佑が「完璧主義者のような人」と評していたが、なるほど納得だ。こうして、ときにピリピリした様子で厳しい言葉を発するあたりは、2002年日韓W杯で日本代表を率いたフィリップ・トルシエ元監督を思い出させる。

 今野と同じくジーコ元監督時代に日本代表デビューし、6人の日本代表監督を知るMF長谷部誠は、新指揮官の一番の印象として「厳しさ」を挙げ、「その厳しさの裏側には、日本代表に対する絶対に強くしたいという思いがある」と言い、こう続けた。

「今までの監督と比べて、物事をはっきり言う。これまでの監督は、自分の発言の(影響の)大きさとか、そういうものを理解して、気を使って柔らかく発言することもあったと思うが、この監督は『オレは自分の選手には本音しか言わない。嘘はつきたくない』と話している。よりストレートに厳しく。でも、その厳しさは愛情のある厳しさなので、選手はしっかり受け止めている」

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