日本代表メンバー発表。いつもの名前に隠された新監督の意図 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

 その一方で、ハリルホジッチはこうも述べている。「その後は選ぶメンバーは随時、入れ代わることになるかもしれない」と。自分の目でJリーグをたっぷり見た後、積極的にテストを行なおうとしているのだ。監督のセレクターとしての色が見えてくるのは、次回からになる。とはいえ、今回の招集メンバーから何も見えてこないわけではない。

 代表チームはいま、世代交代のタイミングを迎えている。本来ならば、W杯終了後こそが、それに最も相応しいタイミングになるが、その半年後に行なわれるアジアカップを重視した日本は、そこで世代交代に踏み切らなかった。ベテランを切らなかった。遠藤、今野、長谷部など、2018年には大ベテランになっている選手をメンバーに加えてアジアカップに臨んだ。

 そして今回、2018年W杯時に38歳になる遠藤が外れた。一方で、33歳になる長谷部、34歳になる今野は残った。

 長谷部の場合は分からないではない。このメンバーの中で、長年に渡りキャプテン格でいた選手。現在もフランクフルトの一員として、ブンデスリーガで多くの試合に出場している。トップレベルを維持している選手だ。今野の場合は違う。アギーレジャパンではスタメンではなかった。イラク戦でいい働きをしたが、試合終了間際に負傷。そして、ガンバ大阪に戻っても、復帰したかに見えたが再度故障。いま現在、復帰をはたせずにいる。にもかかわらず今回、選ばれた。

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