アルガルベ杯。苦しんだからこそ生まれた「なでしこの新戦術」 (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 今大会で選手たちにズレを生じさせた要因のひとつは明らかに“焦り”だ。ようやく揃った主力メンバーとの融合を図る時間や実戦が足りなかったこと、4年前とは違う何かを作り上げたいという強い思い、そして何より着々とチームを仕上げてきているライバル国との差を見せつけられたこと。“焦り”を増幅させる要素はいくらでもあった。

「打ちのめされた大会だった」という宮間の言葉は重い。最終戦のトライの数々は、「課題だけでは終わらせない」という選手たちの強い意志が感じられた。課題まみれの大会ではあったが、膿(うみ)は出し尽くした。

 ここからの取り組み方次第では、3か月後に「打ちのめされ甲斐のある大会だった」と笑い飛ばすこともできるはずだ。ワールドカップからの4年という歳月は、すべてのチームに公平に与えられた時間だ。言い訳は通用しない。なでしこジャパンの真価が6月のワールドカップで問われる。勝負の3か月が始まろうとしている。

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