アルガルベ杯惨敗。なでしこの「修正力」はW杯に間に合うか (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 後半25分の2失点目は、大儀見がロングボールをキープしきれず、ボールを奪われたところからのショートカウンター。39分の3失点目は途中出場の阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)にボールをつけたところから奪われての決定打。41分にコーナーキックから一度は大儀見がネットを揺らすも判定はオフサイド。しかし、ゴールの香りがしたのはこのときのみ。相手のペースに持ち込まれ、リセットする隙も与えてもらえず、最後まで立て直すことができずに日本は1-3で逆転負けを喫した。日本は他グループ3位のチームも勝ち点で上回れず、大会参加史上最低位の9-10位決定戦に回ることになった。

 今大会、失点の仕方がマズいことは誰の目にも明らかだ。サッカーにミスは付き物である。が、ここまでの5失点中、3点は明らかに回避できるミス絡み。食らわなくていい失点だ。これはなんとしても改善しなくてはならない。

 そして、それらが起きる時間帯もマズい。特にゲームプランを消し去ってしまう立ち上がりの失点は何度も話し合ってきたことだけにより深刻だ。

 攻撃面でも課題は多い。フランス戦後半の攻撃は特にフィニッシュまでつながらず、90分を通して日本が放ったシュートは前半のゴール1本のみ。大儀見が下がってボールを受けることが多く、高い位置に起点を置くことが叶わなかった。大儀見をいかに高い位置にとどめておけるかは日本の得点パターンを広げる上で優先させるべきところ。これだけ日本のサッカーが研究されていれば、大儀見が前線でフリーになることはない。個で打開することに期待はしたいが、同時に彼女が作るスペースを活用する人間が必要だ。

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