ポルトガルに完勝。サブ組が示した「なでしこ本来の姿」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 初優勝を目指したアルガルベカップ初戦で敗北を喫したデンマーク戦から、中一日を挟んで行なわれたポルトガルとの戦いは、文字通り決して負けられない一戦だった。ワールドカップ本大会のシミュレーションとして捉え、敗戦後に第2戦のプレッシャーを選手たちに与えた佐々木則夫監督。その責を負ってピッチに送り出されたのは、佐々木監督が明言していた通り、全員がサブメンバーだった。

なでしこ初出場で得点を挙げた横山久美なでしこ初出場で得点を挙げた横山久美 立ち上がりから日本がボールを支配するも、厳重に引かれたポルトガルの守備網は簡単には揺るがない。日本はなかなかシュートにまでこぎつけないでいた。しかし、これも想定内のこと。なぜならポルトガルはフランスとの初戦を、強固な守りで1失点に抑え込んでいたからだ。

 今大会優勝候補の一角に名を連ねるフランス。多少の戦力を落としていたことを考慮しても、ポルトガルの守備はただ人数を割いて引いているという類のものではない。最後まで粘って足を出してくる。前半、この最後の"伸び"にパスのコースを何度も変えられた日本は、ポルトガルの守備を崩すことができない。

 そんな中、前半36分にコーナーキックのこぼれ球を川村優理(ベガルタ仙台レディース)がボレーで叩き込む。流れからのゴールではないが、欲しい先制点を手にした。後半9分には横山久美(長野パルセイロ・レディース)が、34分には菅澤優衣香(ジェフ市原・千葉レディース)がゴールを決め、3-0で勝利。至上命令である勝ち点3を手にした。

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