オーストラリア人記者が見たサッカー日本代表。「緩い」 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Matsuoka Kenzaburou

「得点だけが足りないが、出場チームのなかでもっともいいサッカーをしているのは日本だ。やっているサッカーを見れば、日本が優勝候補のひとつなのは間違いない」

 大会開幕直後にそう語り、日本を称賛していた『The Courier Mail』のマルコ・モンテベルデ記者だが、いまは少し違う感想を持っているという。

「日本のパスをつなぐスタイルは好きだが、いくらパスを回し試合を支配したとしても、得点できなければ試合に勝つことができないのがサッカーだ。それを象徴していたのがUEA戦といえるが、日本はどの試合も優位に進めながら、それをスコアに反映することができなかった。あれだけの試合をしているのだから、もっと執拗に得点を狙うべきだった。

 試合を支配しながらも、なぜ肝心なところで弱腰になってしまうのか。日本の個々の選手を見れば、経験や技術という点では間違いなくアジアの中でトップだと思うが、チームとしての連係という意味でそれが生かされているかは疑問だった。3トップ(本田圭佑、岡崎慎司、乾貴士)のコンビネーションもお粗末で、チームとしてどうやって点を取るのかが見えず、対戦相手にとって怖さがなかった。アギーレ(前監督)の八百長問題などで選手が大会に集中し切れていなかった面があったのかもしれないが、それにしても積極さを欠く戦いぶりは残念だった」

 そしてモンテベルデ記者は、こうも付け加える。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る