ライバル・韓国が感じた「日本代表の素朴なギモン」

  • 慎武宏●文 text by Shin Mukoeng  photo by AFLO

「パワーとスピードという点ではKリーグが上ですが、技術や組織力ではJリーグです。パスの質も、Jリーグのほうが優れているでしょう。ただ、Jリーグでは予定調和的なパスが多く、相手の意表を突くようなパスや、大胆なサイドチェンジ、ゴールに直結するようなスルーパスなどが少なくなっているような気がします。

 また、そういうパスを出せる選手も少なくなった。遠藤、小笠原(満男)、(中村)俊輔、(中村)憲剛などに続く若手が育っていないような気がします。それは韓国にも言えることですが、原因としては、選手たちが失敗を恐れ、指導者も失敗を許さない雰囲気があるからでしょう。もっとチャレンジすべきですし、チャレンジさせるべきです。短く小刻みにパスを回すのも良いですが、ただ横に流しているだけでは怖くありませんし、いつまでたっても状況は打開できません。

 それは、ブラジルW杯で日本代表が痛感させられたことでもあると思うんです。日本代表やJリーグがもっと強くなるためには、横流しのパス回しから脱却することが急務だと思います。そして、ハードワークをいとわないこと。攻撃でも守備でも、もっとアグレッシブになるべきではないでしょうか」

 補足すると、ユン・ジョンファンはアギーレ・ジャパンのサッカーを高く評価していた。「アギーレ監督になって縦に鋭いパスが出るようになったことはポジティブな要素。日本代表の変化が楽しみです」と。

 ただ、そのアギーレは契約解除となり、日本は新たな代表監督探しに着手している。メディアで報じられる候補者たちの名は、海を越えて隣国にも伝わっており、韓国のジャーナリストたちもその動向に注目しているという。ソ・ホジョン記者は言う。

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