イラクに辛勝。決定機を外し続けた日本が被る「大きな代償」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

【グループD】
◆第1戦=日本4-0パレスチナ、イラク1-0ヨルダン
◆第2戦=日本1-0イラク、ヨルダン5-1パレスチナ
◆第3戦=日本vsヨルダン、イラクvsパレスチナ

 上記のように、日本はイラク戦に勝利し、確かに勝ち点6でグループDの首位に立ってはいるが、もしも最終戦でヨルダンに敗れることがあれば、日本、ヨルダン、イラクの3チームが勝ち点6で並ぶ可能性がある。この場合、当該3カ国間の直接対決の成績で決勝トーナメント進出チームが決まるため、日本はヨルダンに2点差以上で敗れればグループリーグ敗退。0-1で敗れた場合は、イラクvsパレスチナ戦の結果次第でグループリーグ敗退の可能性が生まれる(日本がヨルダンに0-1で敗れた場合、当該3カ国の直接対決の成績でも並ぶため、得失点差、総得点数で順位が決まる。イラクが5得点以上挙げて4点差以上で勝った場合、日本はグループリーグ敗退)。

 だが、もしイラクに3-0で勝利していたらどうなっていたか。日本は仮にヨルダンに敗れたとしても、2点差以内の負けなら1位通過が決まる。日本がヨルダンに3点差以上で負けることは考えにくく、つまりはグループリーグ第3戦を残して、事実上の1位通過が決まるという状況を作れていたはずなのである。

 そうなっていれば当然、ヨルダン戦ではメンバーをある程度入れ替え、ここまで2試合をフルに戦ってきた主力組を休ませることもできたはずだ。

 ましてグループDの日本は、最大のライバルと目されるグループAのオーストラリアや韓国に比べ、試合日程に大きな不利がある。この先、グループリーグ1位通過で決勝まで勝ち進んだとして、オーストラリアや韓国が準々決勝から決勝までの3試合を中4日、中3日、中4日で戦えるのに対し、日本は中2日、中3日、中3日でこなさなければならない。

 オーストラリアと韓国は試合日程で有利なうえ、どちらも2連勝ですでにグループリーグ突破を決めている。直接対決の第3戦は手の内を隠すこともでき、余裕を持った選手起用が可能な状況にある。

 余裕があるのは、オーストラリアと韓国だけではない。日本が勝ち上がった場合、準々決勝で対戦することになるグループCのイランとUAEもすでに2連勝で突破を決め、第3戦はメンバーを入れ替えることも可能。日本を取り巻く状況はますます厳しいものになっている。

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