快勝も呆れるほど雑な内容。アギーレJ初戦の問題点とは
開幕したアジアカップ、初戦となったパレスチナとの試合で、日本代表は4-0と快勝した。※得点者:遠藤保仁、岡崎慎司、本田圭佑、吉田麻也
パレスチナ戦で日本の2点目を決めた岡崎慎司 実力的に考えれば、出場全16カ国のなかでFIFAランキング54位の日本と113位のパレスチナ(ともに1月8日時点)の対戦なのだから、結果は極めて妥当なものだ。4-0というスコアまでもが妥当かどうかはともかく、勝負という点で言えば両者の力の差は明らかだった。
とはいえ、内容的にはとても褒められたものではなかった。実際、49分にCKから吉田麻也がヘディングで決めた4点目を最後に日本のゴールは打ち止め。後半ロスタイムを含め、残りの40分以上を雑な試合内容で費やした。
パスがリズムよく回らなくなり、イージーミスばかりが目立つ。連係がかみ合わない日本は、狙ったような攻撃の形にまったくと言っていいほど持ち込めなくなった。その結果、試合は不用意な打ち合いになり、どちらのチームも間延びした状態となって、ボールばかりが激しく左右を行き来する締まりのない展開に陥った。
日本の得点が4ゴールで打ち止めになったことは構わない。今後の日程を考えれば、すでに勝負が決した以上、体力を温存しながらゲームを終わらせにかかることは決して悪いことではないからだ。
ただし、それが意図的なものであるならば、だ。
実際には、4点をリードした日本はむやみに攻撃に出てはボールを失い、危険なカウンターを受ける始末。82分には自陣の深い位置でFKを与え、あわや失点かというヘディングシュートも許している。
日本は試合終了直前、立て続けに決定機を作ったものの、判官びいきの大声援を背に勇敢な守備を見せるパレスチナの前に、追加点を奪うことはできなかった。日本が「意図的に試合を終わらせた」とはとても言い難い終わり方である。
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