2015.01.07

豊田陽平が驚いた「本田圭佑、内田篤人の変貌」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 松岡健三郎/アフロスポーツ●写真

「最高のタイミングで高徳からクロスが入ってきて、自分はファーポストに流れてマークも外せていました。あれは決めたかったですね。自分の得意な形だったんで。“とにかく枠に叩き込みたい”という一心で、打ったんですが」

 豊田はそう言って口をすぼめたが、合宿を通じて好感触を得ていたことは間違いない。例えば太田宏介の左足には期待できるものがあって、『頼むよ』と伝えていた。今回は一緒にピッチに立つことはできなかったが、今後に向けての布石も打った。

 もっとも、アギーレ監督は合宿初日に挨拶しただけで、そのままメキシコに旅立ってしまい、戻って翌日に試合という日程だったので、“指揮官になにを求められているのか”は自分で推量するしかなかった。オーストラリア戦は「サイドバックの裏を狙え」と指示を受けた。“どうやらトップにはサイドに流れてボールを受ける仕事を求めている”と理解したが、基本は自己判断が欠かせないだろう。

 ザッケローニ監督は戦術的に細やかだったが、アギーレは攻撃に関して数えるほどのパターン練習しかしていない。例えばセンターバックが持ち上がり、ボランチを飛び越して3トップの左側の選手にボールを入れる。このとき、サイドの選手は少し内側にポジションを取り、ギャップで受け、トップの選手に当てる。トップの選手はダイレクトでリターンするか、二列目に上がったインサイドハーフに落とすか、3トップ右側の選手に流す。

 この攻撃パターンの繰り返しが基本だった。あるいはセンターバックがワイドに開いて一気に逆サイドのアタッカーに展開するという攻撃練習もしたが、つなげるよりも縦に速い攻撃を志向していることだけは明らかだろう。

「4-3-3はやりにくい、と言われますけど、自分としてはそこまでの違和感はないです。ただ、攻撃が単発で終わりやすいというか、FWが孤立しやすい点はあるかもしれませんね。そこはボランチとの距離感をうまく取らないと。アギーレさんの代表は始まったばかりですし、手探りで続けていくしかないですね」