【なでしこ】近賀ゆかり「W杯連覇の鍵はズバリ距離感!」 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

――もう4年も経つんですね。“ドイツW杯での近賀”と“カナダW杯での近賀”はここが違う!というのはありますか?

近賀 難しいな~それ(笑)。海外でプレイしてきたとは思えないこと言いますけど、いろんな意味でバランスを見ることに関して、めっちゃ磨きましたよ。代表に行けば年も上になってきたから、いろんな話も聞けるし、言えるし。誰かと誰かの意見が合わなくても、どっちの意見も聞いて、じゃこうしようっていうのを今はできる。前だったら、やろうとも思ってなかった(笑)。DFと前の意見が食い違ってて、それぞれの考えがあっても、じゃあどうするっていうのを今なら自分発信で言えると思う。海外に出る選手が多くなってきて、国内にいる選手とのズレがあるんだったら、私は国内のこともわかんない訳じゃないので、バランスを見て自分発信で言うようになったかなって思います。

――代表は集まる時間が少ないから難しいですよね。

近賀 いつもアヤ(宮間)が年下の選手の話とかを聞いてくれていて、私はそこまで周りを見ることはできないけど、アヤが「あの選手はああなんだよ」って教えてくれるから、「そうなの?じゃあ少し話してみるね」って感じです。アヤに負担がかかる分、彼女が息抜きをできるようにサポートしたいなって思います。まあ、うまくいってるときは勝手に意見がまとまるし。きつくなったときは自分が(前に)出るときかなって思ってます。サイドバックだし?私も歳取りましたしね(笑)。

 近賀もつい数年前までは、ピッチで右往左往しながら奮闘していた選手のひとりだった。

 実際近賀自身も、「過ぎてしまえばこの4年はあっという間だったけど、ケガや海外移籍があったので自分にとってはドイツW杯が昔のことのように感じます」と語る。

 特にこの1年は海外へ出て、いろいろな刺激を受けた。あらゆることを吸収した今の近賀だからこそ、なでしこに必要なものを改めて実感することができたのだろう。磨いてきた個の輝きを彼女は、そしてなでしこジャパンの面々はどう溶け合わせていくのか。真価が問われるW杯本大会は6月にカナダで開幕する。

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