アジアカップメンバーに見る、アギーレ監督の「進退条件」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 アギーレ監督は「私は選手の年齢ではなく、質を見ている」と言うが、年齢の壁が日本代表の前に立ちはだかってくることは、過去の歴史が証明している。だからこそ、意図的に新陳代謝を進めなければならないのだ。

 にもかかわらず、新指揮官は「目先の勝利」へと舵を切り始めたように見える(邪推をするなら、八百長騒動で騒がしい周囲を、ひとまず結果で静めたいとの思いもあるのかもしれない)。

 日本サッカー協会の姿勢も曖昧だ。アジアカップをどう捉え、4年後に向けたチーム作りをどう捉えているのか。そこをはっきりさせることが大前提であるが、日本協会の霜田正浩技術委員長は「(アジアカップの)優勝を狙うが、準備期間が短いのでノルマは設けていない」と実に歯切れが悪い。これでは、アギーレ監督をまともに評価できるはずもない。

 よもや、そんなことはないだろうと思いたいが、(ホンジュラス戦やオーストラリア戦のように)“ブラジルW杯組”を中心にメンバーを固定してアジアカップを戦うようなら、優勝がノルマ。

 日本協会の姿勢も含め、アジアカップでの戦いぶりにはそのくらいの厳しい目を向けていく必要があると思う。

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