アギーレジャパンの緊急課題は「本田ジャパン」からの脱却

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • photo by Masuda Yuichi

中山 ポイントになるのは、やはり中盤の2列目のポジションに誰を使うか、ですね。

杉山 確かに、そこで遠藤保仁(ガンバ大阪)と香川真司(ドルトムント/ドイツ)を併用するのは、どうかと思う。今回、遠藤を呼んだのは初めてだったから、アギーレ監督が遠藤を使ったのは仕方がない面もあるけど、守備力を考えたら、あのポジションを遠藤に任せるのは厳しい。もちろん、香川にしても、あれだけ相手にボールを奪われているようでは、2列目のあのポジションは厳しいよね。

浅田 でも、まだ試していない選手もいる。特にFC東京のMF米本拓司は、2列目の中盤で試してほしい選手のひとり。守備力はもちろん、攻撃センスも高いからね。米本にとっても、その位置が最も力を発揮できるポジションだと思う。

杉山 川崎フロンターレのMF大島僚太なんかも面白いと思うよ。フロンターレではボランチをやっているけれども、もともとサイドアタッカーをやっていたからね。結構、適任なんじゃないかな。何にしても、攻撃的な4-3-3から、やや守備的な4-1-4-1へと流動的に調整できるメリットもあるし、4-3-3は4-2-3-1にも移行しやすくて、すごく幅があるシステム。そのまま継続していけばいいんじゃないかな。

深刻な問題となっている「若手選手の人材不足」

――中盤の2列目の選手は、これからさらに選考を重ねる必要がありそうですね。ところで、中盤の底の選手はいかがでしょうか。11月の親善試合では、2戦とも長谷部誠選手(フランクフルト/ドイツ)が務めました。

中山 アギーレ監督がもっと選手の特長を理解してきたら、長谷部を中盤の2列目の左右どちらかで起用して、細貝萌(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)や今野泰幸(ガンバ大阪)みたいなボールを奪う能力に長(た)けた選手を中盤の底に配置するんじゃないでしょうか。

杉山 確かに、長谷部は前で使ったほうがいいかもしれないね。年齢を重ねてポジションを下げたけど、もともとは2列目の中盤をこなせる能力があるわけだし。まあ、それはいいとして、僕が監督だったら、中盤の底には内田篤人(シャルケ/ドイツ)を使ってみたい。内田はサイドにいても、全体がよく見えていて、常にバランスをとりながらプレイしている。守備もできるし、ボールさばきも悪くない。何より、落ち着いていて、大舞台になっても慌てないのがいいよね。中盤の真ん中には、そういう選手が適任。内田のよさも、より生かせるんじゃないかな。

中山 僕も、内田はこのポジションができると思います。現状、右サイドからの景色しか見ていないから、まずは準備段階として何試合か左サイドバックをやらせて、左右のプレイバランスをとってもらう。そのあとに中盤のセンターにコンバートすれば、結構面白いんじゃないかな、と思います。

浅田 まさに、ドイツ代表のラーム(バイエルン・ミュンヘン)みたいなイメージだよね。

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