2014.11.25

浦和レッズレディース優勝!降格争いからの躍進を支えたもの

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 エキサイティングシリーズ、ホーム最終戦で勝って優勝を決める――。選手たちの勝利への想いは強かった。レギュラーシリーズ最終戦で、首位を独走してきた浦和は引き分け以上で優勝決定という条件でありながら、敗戦。手中におさめかけていた優勝をあと一歩のところで湯郷ベルに譲ってしまっていた。2度と同じ過ちは犯さない。選手たちは目の前の試合、ひとつのゴール、ひとつの勝点に並々ならぬこだわりを持ちながらエキサイティングシリーズに臨んでいた。

「最低引き分けでもいいと思っていた。優勝することが大事」

 勝てば優勝が決まる前節のINAC神戸レオネッサ戦で引き分けに終わった後、吉田靖監督はこう話した。結果、この勝ち点1が浦和を年間優勝へ導いたのである。

 このINAC戦のあと、とにかく納得のいかない表情を浮かべていたのがCBの高畑志帆だった。「間延びしてセカンドボールを相手に奪われるシーンが多かった。ずっと取り組んできたことだったからそれが出来なかったことが一番納得できなかった」と振り返る。最終戦でも、後半にその悪い癖が顔を出し、相手のペースに持ち込まれてしまった。

「サイドとの距離感やポジション取りで改善できる部分は多い。これは次への課題です」と冷静に受け止めていた高畑。降格争いをしていた昨年から、大きな成長を遂げ、守備陣のリーダーとして2年目となる今シーズンは、まさに"闘将"となってチームを鼓舞した。もっとも大きな変化は"声"だ。

「自分が見えていることを前線に伝えようと思ったんです。その声によってリスクがハッキリする。声を出し続けたことで連係にもいい影響を出せてるのかなと思います」(高畑)。

 その言葉通り、最終ラインの信頼関係は厚い。クリアか、つなぐかの判断にも迷いがなく、意識統一が確立されていた。低い位置でボールを奪われて失点を重ねていた昨年に比べ、その最終ラインは改善されたどころか、最終ラインでの信頼あるボールのつなぎは攻守において浦和の武器にすらなりつつある。レギュラー、エキサイティング両シリーズともに最少失点であるこの守備力が、浦和の快進撃を支えた第一の柱であることは間違いない。