代表復帰の豊田陽平。「平常心でプレイする」の真意 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images Sport

「“次のW杯を狙う”とか、壮大な目標は霞んでしまって見えません。自分は鳥栖でこうしたチャンスをつかめたわけで、このクラブでリーグタイトル、得点王を取りたいですね。そうすることで、2014年は良い年だったと思えるはず」

 Jリーグは残り3試合、豊田は得点ランキングで大久保嘉人(川崎F)と並んでトップに立っている。過去3シーズンで54得点はJリーグ最多。J1で3年連続15得点という記録は、日本人選手では三浦知良、武田修宏、中山雅史以来、12年ぶり史上4人目の快挙となった。

「一歩一歩こつこつやっていれば、運命は結果的に変わっていくもの。やれることを全力で。いいときも悪いときもありますから、浮き沈みなくやっていくことが大事なんだと思います」

 そう語る男が、いよいよ新生日本代表に合流する。

「気張らずに頑張ろうと思います」

 豊田は言うが、“気張らずに頑張る”は、常日頃から戦闘者である彼にとって“死力を尽くす”と同義である。


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