2014.09.05

原博実専務理事「代表監督は常にリストアップしている」

  • 杉山茂樹●インタビュー interview by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

ザッケローニ監督の解任は一度も考えなかった

――さて、ザッケローニ監督の評価についても聞かせてください。

 日本人のよさを十分に理解して、それを生かす、ということをよくやってくれました。W杯では結果は出なかったけれども、彼がやってきたことは、決して悪くなかったし、今後につながっていくものだと思います。だから、すべてにおいてマイナス評価になることはないです。

――そもそも4年前、「次期代表監督がまだ決まらない」とメディアで叩かれて、慌ててザッケローニ監督に決めてしまったということはないですか。

 今回のアギーレ監督のように、早く決まれば決まったで、またいろいろと文句を言われる。難しいですね。ザッケローニ監督については、慌てて決めた、ということはないですよ。前回のW杯(2010年南アフリカ大会)が終わって、そこから動き出したわけでもないですし。

――そうなんですか? いつから探していたんですか。

 2009年に、僕が技術委員長という立場になってからです。正式なオファーは出していませんが、今度の代表監督に決まったアギーレをはじめ、ペジェグリーニ(当時レアル・マドリード監督/スペイン→現マンチェスター・シティ監督/イングランド)や、バルベルデ(当時ビジャレアル監督/スペイン→現在アスレティック・ビルバオ監督/スペイン)らと同じように、ザッケローニとも早くから接触していました。それは、技術委員長としては、当たり前の仕事ですよ。

――南アフリカW杯が終わったあと、犬飼基昭会長(当時)が岡田武史監督に続投要請をしていましたよね? ですから、ゼロの状態から新たな監督を探していると思いました。

 岡田監督への続投要請は出していません。その情報は間違っています。南アフリカ大会における岡田監督については、技術委員会でも高く評価しました。岡田監督らしく、堅実な戦い方をして、ベスト16という素晴らしい結果を出しましたからね。でも、当時技術委員会が考えたことは、これからさらにレベルを高めて、日本が世界のトップレベルで常時戦えるようになること。そのためには、世界最高レベルにあるクラブの指揮をとって、世界トップクラスのリーグ、あるいは欧州チャンピオンズリーグを戦ってきた経験がある人、日本よりもレベルの高い国の代表経験者に、代表監督を任せるべきだ、ということで技術委員会の考えはまとまっていました。

 また、かつてオシム監督が突然倒れてしまったことがありましたけど、監督自身ではなくても、家族が病気をされたりしたら、その看病に専念するために、急に代表監督を辞めなければいけないこともあるかもしれません。それに、外国人監督の場合、東日本大震災のようなことが起こると、さすがに日本にはもう住めないと言って帰ってしまうことも。技術委員会としては、そうした緊急事態は常に想定しておかなければいけない。だから、僕が技術委員長になってからは、今誰がフリーでいるのか、あるいはもうすぐ(クラブや代表チームとの)契約が切れそうな監督は誰か、そうした情報はいつでも把握していて、すぐに接触できる状況を整えていました。それも、技術委員長としての仕事のひとつです。