基礎練習からスタートしたアギーレ監督の真意を読み解く

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 日本代表のリスタートである。

 ハビエル・アギーレ監督が就任し、最初の試合となるウルグアイ戦(9月5日、札幌)を控え、日本代表が札幌でトレーニングを開始した。

 トレーニング初日となった9月1日は、前日に試合があった海外組が合流していなかったこともあって、リラックスムードのなかでのフットバレー(ネットを挟み、足だけで行うバレーボール)が中心のメニュー構成。2日目のトレーニングで、いよいよ新生・日本代表がベールを脱ぐ......、かに思われたが、そんな前のめりの期待はアギーレ監督によって簡単にいなされてしまった。

 率直に言って、実質"初日"のトレーニングは拍子抜けというか、退屈というか、とにかく物足りないものだった。

 4人一組で四角形になりパスを回すところから始まり、その後は守備の選手をつけたボールキープへ移る。3対1で始まったボールキープは人数を徐々に増やしていき、最後は7対7+フリーマン4人で行なわれた。

 おもしろかったのは、メニューが短い時間でポンポンと変わっていくこと。日本代表初招集の坂井達弥(鳥栖)は「メリハリがあって、やるところはやるという感じでよかった」と振り返ったように、同じ人数、同じ広さでボールキープを行なう時間は短く、人数を増やし、ピッチの広さを変え、といった具合に次々に変わるメニューが消化された。

 だが、その後はサイドからクロスを上げて中央で合わせるシュート練習を挟み、5対5のミニゲームで締めくくり。言ってみれば、中高生が春先にやるような練習メニューで終わってしまったのである。

「守備に力を入れて勝ちたい」と語っていた新指揮官は、初陣を3日後に控えていても、とりあえず最低限の守備のやり方を確認するわけでもなく、実に基本的なトレーニングだけで貴重な1日を費やした。

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