アギーレJ初陣。目の色変えるブラジル落選組 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 当然、悔しさを晴らしたいという思いは抱えているだろう。しかし、細貝は経験豊富な選手らしく、新チームでの初戦を前にこんな言葉で意欲を口にした。

「初めての選手とコミュニケーションを取ってサポートしてあげたいし、(日本代表でのプレイが)やりやすいと思ってもらえるようにしたい。自分が気をつかうことで、彼らがいいプレイをできればいい」

「過去は関係ない」と語るアギーレ監督の前では、ワールドカップメンバーとしてブラジルに渡った選手とて、何らアドバンテージを手にしてはいない。

 ワールドカップメンバーのひとり、DF酒井高徳は「今後も調子のいい選手が入ってくる。いつまでも(自分が代表に)いられる安心感は持たないようにしたい」と話す。

 だが、その一方で酒井高は、前回の日本代表では主力メンバーが固定されるなか、そこに割って入る苦労を知るだけに、新チーム立ち上げの23人に名を連ねたことに手応えもうかがわせる。

「ザックさんのときは(11年の)アジアカップをケガで辞退して、自分でチャンスを逃したような感じになり、その後(代表に)入るのに苦労した。こうやって最初からいられればチームのコンセプトも早く理解できるし、次に呼ばれたときもそれを意識してプレイできる。このまま残り続けるには大事な一歩だと思う」

 酒井高はワールドカップメンバーではあったものの、試合に出場する機会はまったく得られなかった。新生・日本代表に初めから定着することで、4年後はロシアのピッチに立ちたいという思いが強いはずだ。

 ブラジルで一度もピッチに立つ機会がなかったのは、DF酒井宏樹もまた同じだ。酒井高同様、4年後への強い意気込みを示しても不思議はない。

 だが、酒井宏は日本代表の再スタートに際しても気負った様子は見せず、「あっち(ハノーファー)でやっていることをここでも出せればいい。競争ということを特別意識するのではなく、あくまで自然体でいければいい」と話し、こう続ける。

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