今こそザックジャパンの敗因を徹底検証しよう (5ページ目)

  • photo by JMPA,Kishimoto Tsutomu

浅田 そういうこともあってか、コンディション作りに関してすごく適当になってきた。日本の協会には、そういうことの蓄積があるはずなのに、いつの頃からか失われて、コンディショニングというものに対して、大ざっぱなチームになってしまった。

中山 ヨーロッパナイズというか、上のほうのレベルに合わせちゃって、自分たちの本当の実力を見失っていたというのはあるでしょうね。選手だけでなく、準備する側の協会のスタッフとかも、感覚が少し狂ってしまったんだと思う。第一、コンディションが万全だったとしても、コロンビアに勝てる力があったのか、というと甚(はなは)だ疑問。自分たちの実力を見誤っていたことも含めて、コンディションうんぬんで結果が出なかった、と語るのはナンセンスでしょ。

――試合会場の高温多湿は、対戦相手だって条件は同じですからね。

杉山
 そう。だから、コンディションは(負けた)理由にならないんだよ。相手だってコンディションが悪かったかもしれないし。コンディションを言い訳にしたら、サッカーの話は一切できなくなるんだよ。

浅田 日本のサッカーは、特に運動量がカギになるからコンディショニングは重要な要素。だからこそ、そこにフォーカスしたくなるんだろうけど......以前は緻密すぎるくらいできていたことが今はできなくなったんだから、むしろ恥ずかしいこと。それを敗因にするのは、あまりに情けないですよね。

――何はともあれ、コンディショニングをいい訳にしてしまうこと自体が、ブラジルW杯で改めて痛感させられた日本代表の最大の反省点と言えそうですね。

浅田
 杉山さんが言う「コンディションを理由にするのは最低だ」というのとは違って、「昔できたことができなくなるのは最低だ」っていう感じ。せっかく過去の蓄積があるんだから、コンディショニングについては、監督に意見してでも、協会が積極的に働きかけていかなければいけないと思う。

(つづく)

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