今こそザックジャパンの敗因を徹底検証しよう (4ページ目)

  • photo by JMPA,Kishimoto Tsutomu

「コンディショニングの失敗」は敗因と言えるのか?

W杯ではアグレッシブさを売りとするFW岡崎慎司の動きも鈍かった。W杯ではアグレッシブさを売りとするFW岡崎慎司の動きも鈍かった。――さて、本題に入らせてください。ザッケローニ監督に率いられた日本代表の、ブラジルW杯の結果を受けての検証をしていきたいと思います。まずは、W杯に臨むにあたってのコンディショニングの失敗について、です。今回のW杯における日本の問題、教訓になったことは何だったか、ということを事前にみなさんにうかがった際、誰もがコンディショニングを強調されていました。

杉山
 今回のW杯では、日本代表のコンディションの悪さが余りにも目についたんだけど、僕からすれば、本当はそんなことを問題点のひとつにさえ挙げたくない。4年もの間、多くの大金をつぎ込んでやってきて、最大の敗因はそこだったですか? となって話が終わっちゃうからね。にもかかわらず、原さんは先日の記者会見でも、「(拠点の)イトゥは涼しかったけど、試合会場が暑くて、その分、調整するのが大変でした」とか、「(5月下旬の)指宿合宿で追い込み過ぎました」とか、コンディション作りでうまくいかなかった点を口にした。それにはもう、開いた口が塞がらないというか、情けなさを感じたよ。だって、コンディションのことを言い訳にしたら、自分の無能さを証明しているようなもの。最もやってはいけない、「初歩的なミスをしました」と言っているのと同じなんだから。それでいて、代表チームを統率するトップの人間が、平気な顔をしてコンディション作りの失敗を敗因に挙げるのは、すごくカッコ悪い。だから僕の中では、原さんが一番の厳罰対象になる。

浅田 昨年、コンフェデレーションズカップがあって、ブラジルには一度、行っているわけですからね。協会側が、イトゥが寒くて試合会場は暑いとか、あまりにも基本的なことを敗因に挙げることへの違和感は、確かにある。と同時に、以前の日本はコンディショニングという部分に対して、「もっと緻密だったのになぁ」という悲しい気持ちもありますね。暑熱対策だとか、給水だとか、そういう細かいところに気を配ることによって、何とか強豪国との差を詰めようとしてきた。ある意味、そうしたことをやってきた結果、日本のサッカーは2002年ぐらいまでは右肩上がりに伸びてきた。ところが、ジーコ監督の頃からかなぁ......、「サウナに入れば暑さ対策になる!」みたいなレベルになってきちゃった。

杉山 日本はまだまだ弱者なのにね。「強者の論理」になっちゃった感があるね。

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