今こそザックジャパンの敗因を徹底検証しよう (2ページ目)

  • photo by JMPA,Kishimoto Tsutomu

杉山 とりあえず、謝って......いや、謝ったんじゃなくて、代表がW杯で結果を出せなかったことに対して、協会として"申し訳ないムード"が漂う中、みなさん(メディア)の前で喋りましたっていう事実を作っただけだよね。だとしたら、周りがもっとツッコまないと。別にその場で質問したりしなくても、テレビの番組や、新聞、雑誌の紙面でもっと検証をすればいい。僕ら個人は、ブラジルW杯に挑んだ日本代表についての分析や検証を雑誌やウェブなどでちょこちょこ書いているけど、大手メディアがやらないから、日本全体として"検証"をしている感が出てこない。協会の問題でもあるけれど、検証を"やっている感"が出ないのは、大手メディアがやってないからだと思う。今回ここで、『スポルティーバ』だけがやってもね......現実的に"やっている感"は強まらないよ。

――すみません......。でも、何もやらないよりは、ここできちんと検証することが大切だと思っています。

杉山 そうだね。ここから、大きな波になっていくことを期待するよ。

中山 何にしても、確かに杉山さんが言うように、多くのメディアが大した検証もしないで、すぐに新しいニュース、今回であれば、新監督アギーレの話題に飛びついていってしまう。だから原さんも、ちょっと感想を語っただけで許されるだろうっていう感覚になる。"検証"と言うからには、もう少し具体的なもの、「あのときザッケローニ監督はどうしたかったのか」とか、それに対して「選手がどうプレイしたから、こうだったんだ」とか、そんな詳細な話も聞きたかったんですけどね。そういう意味では、7月末のW杯総括会見の場に、ザッケローニ監督がいなかったのも残念でした。

――浅田さんは、どう思われていますか。

浅田 僕は正直、日本代表の監督人事が、4年に一度の定期異動のようになっていることがしっくりこない。"検証"と言うのなら、W杯に関係なく、常々行なわれるべきなのに、それがなされていないのか、(代表監督が)途中で解任されることもなければ、契約を延長して「留任してください」って話にもならない。事務的に4年サイクルで回っている感じがすごく気持ち悪い。協会だって、検証はしていると思うけど、それがどう生かされているのか、というのがちょっと不透明な印象を受ける。

――それは、監督や選手だけでなく、協会も見られていますよ、評価されていますよ、という風潮が日本の場合はないからでしょうね。

杉山 ないよね。

浅田 結果、(メディアは)無理にでも話題を転換してしまおうとする。そういう体質というか、雰囲気は、常に厳しい目を向けなくてもいい、という状況をどんどん膨らませてしまっている。

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