2014.08.15

照準は世界より先。U-17日本のサッカーが変わった

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 もちろん、吉武監督にしても過去2回と同じレベルにとどまるつもりはない。これまでの経験を踏まえ、指揮官が選手に要求する基準は、より高いものになっている。

 例えば、各選手のポジショニング。4-3-3という基本システムはこれまでと変わりがないが、今回のチームでは選手同士が必要に応じて積極的にポジションを入れ替わることが求められている。

 以前は、むしろ各々のポジションに与えられた役割を確実にこなすことでポゼッションを高めようとしていたが、そこから一歩進んだ印象だ。吉武監督が語る。

「3トップも、中盤も、どんどんポジションを入れ替えられなくてはいけないし、例えば、センターバックであってもアンカーの位置に入れないといけない。でもそれは、パターンや形ではない。相手の守備陣形に応じて、適切に自分たちの陣形を整えられるかどうか。それに挑戦したい」

 16歳以下の選手に、数多くあるプレイの選択肢の中から「自分で責任を持って判断しなさい」とはなかなか難しい要求だが、吉武監督は「だからこそ、それを求めることで選手を刺激していきたい」と語る。

 過去の経験から明らかになった課題もある。いかにして相手を崩して得点するか、だ。

 昨秋の前回大会でも、ボールポゼッションで相手を圧倒的に上回ることはできた。試合の主導権を握るという点では、かなりの成果を挙げた。それでも、ゴール前を固める相手を崩し切れなかった。その結果、ベスト16敗退に終わったのだから、当然の課題ではある。

 実際、吉武監督は、特に3トップの左右のFWに、得点の意識を強く持つことを求めるようになった。これまでならパスをつなぐことに満足しがちだった彼らに、「点を取らないとダメなんだ」と働きかけている。いかに得点を増やすかが、今回のチームが過去2大会を成績と内容の両面で上回るための、最大のポイントになると言っていいだろう。