2014.07.15

日本代表は新監督を決める前にやることがある

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 なぜ、9月の親善試合に新監督が必要なのか。

 サッカー協会は従来から、1人の監督に次のW杯までの4年間を任せようとしてきた。「4年間丸投げ」を基本にしてきた。政権を4年間、一人の監督に委ねようとしたわけだが、だとすれば、その人物がどんな監督か徹底的に調べなければならない。その前に我々日本側が、その人物に何を求めるかを決めておかなければならない。過去を総括、検証し、日本のサッカー界に何が欠けているかを整理しておく必要がある。

 だが、わずか1ヵ月で、我々が新監督に要求するものと、それに完全に一致する新監督を見つけ出すことなどできるはずがない。それを解決しようとすれば、近場に人材を求めることになる。その例がジーコ、オシムになるが、当時の会長、川淵三郎氏が彼らの名前を口にしたのは、恐ろしく早い時期だった。ジーコの場合は2002年日韓共催W杯の決勝が行なわれた4日後。オシムは2006年ドイツW杯の期間中だった。ドイツから帰国した成田で行なった記者会見で名前が漏れた。

 理屈的に考えて、急ぐべきでないものをなぜ、そんなに急ぐのか。協会側というか、任命責任のある為政者が、総括や検証を避けたがるのは、分からないではない。だが、本来それを追求すべき立場にいるメディアまで、急ぐのはどういうワケか。

 メディアもまた急ぎたいからだ。前向きな話がしたいからだ。新監督が決まればニュースになる。雑誌や新聞の販売部数はそれなりに伸びるだろう。テレビの視聴率も上がるだろう。ネットのページビューも上がるだろう。じっとしていられない理由は商売上の都合だ。日本サッカー発展のためではない。

 4年前、原さんがメディアに責められた理由もそこにある。

いま「アギーレ!」「アギーレ!」と、積極的にその話題に触れようとしているメディアは、怪しいと思った方がいい。