屈辱のW杯。吉田麻也が痛感した「日本の弱点」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

「プロとしてお金をもらってプレイしている以上、(自分は)結果がすべてだと思ってやってきた。それなのに、昨年(6月)のコンフェデレーションズカップに続いて、結果を出せないとなるとね......。この4年間、いくら努力してきたと言っても、そんな言葉は何も響かない。そうなると、(自分たちが)やってきたことは正しくなかったんじゃないかって言われるかもしれないけど、僕は、この4年間でやってきたことは無駄だったとは思っていない。可能性のあることを信じてやってきたので、それを否定するつもりもない。ただ、結果が出なかったのが悔しい......」

 やってきたことは間違っていない――。その言葉はコロンビアに負けたあと、ほとんどの選手が口にしていた。それでも、勝てなかった。どこに原因があったと、吉田は考えているのだろうか。

「欧州でプレイしている選手が増えて、日本人のレベルはすごく上がってきていると思うけど、自分の力を常に100%出し切ることができない。それは、僕も含めて、ですけどね。やっぱり、世界のトップクラスの選手は、こういう大舞台でも活躍するじゃないですか。僕らもこういうプレッシャーのかかる大会の中で、100%に近い力をアベレージで出せるようにしないといけない。それができていないので、昨年(11月)の欧州遠征でオランダ(2-2)やベルギー(3-2)とやったときのようなサッカーができるときもあれば、その直前(10月)のベラルーシ戦(0-1)のような質の低いサッカーをしてしまうこともある。自分の能力を常に、いかにして100%に近い状態で出せるか。これが(日本の)今後の大きな課題だと思います」

 では、その課題を克服するには、何をすればいいのか。自分の力を常に100%発揮するには、どうすればいいのだろうか。

「うまく力を出し切れないのは、プレッシャーなのか、相手のせいなのか、まだよくわからない。でも、ひとつ思うのは、みんながW杯のような大舞台に慣れることが必要だということ。そうした大舞台の経験を含め、まだまだいろいろな経験が足りない、というのは僕ら自身も感じたし、今大会を見ていた日本のサッカー選手も感じたと思うんで。これから次のロシアW杯に向けて海外に出て行く選手もいると思うけど、より厳しい環境に身を置いてやっていくしかない。それは、選手個人やクラブチームとしてだけでなく、代表の試合においてもそう。アウェーの環境など、厳しい中でプレイする機会を増やしていかないとダメでしょう」

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