前園真聖が語る「本田圭佑と中田英寿との違い」 (4ページ目)

  • 川端康生●構成 text by Kawabata Yasuo
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

 ある時期まで本田はヒデを意識していたと思います。チームの中でのポジションの作り方とか、自分をプロデュースしていくやり方とか、ヒデに憧れていた面はあったと思う。

 でも、ロシア(CSKAモスクワ)でプレイするようになった頃から少し変わってきた。より明確なメッセージを発するようになったりして、ヒデとは別の"本田圭佑"を作り上げようとしているように、僕には見えました。

 そして、そんな本田を包む周囲もヒデの頃とは随分違っていました。ヒデは、チームの中でひとり突出していた。彼と同じ目線を持てる選手がいなかったということです。海外でプレイしている選手がいなかった僕らの時代はもちろん、ドイツW杯の頃でさえ、すでに海外組はいましたが、やっぱりヒデだけが特別だった。だから、ヒデの言葉に共感できる選手はほとんどいなかったはずです。ツネ(宮本恒靖)がそのギャップを埋めようとしていたけど、結局うまくいかず、チームもいい成績を残すことができなかった。

 でも、今の代表はそうじゃない。本田と周囲の選手の間にギャップはない。だから、彼の言葉も受け入れられる。それどころか、ライバル意識を持っている選手さえいます。

 そんなふうに考えると、時代の流れを感じますね。

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