ザッケローニの言う「インテンシティ」とは何だったのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

 日本代表が日本らしさ、を追求するのは当然のことだ。しかしメンバー選考の時点から偏ってしまったら、歪みや脆さを孕(はら)む。相手のストロングを消せないチーム、相手を嫌がらせられないチームは生き残れない。

 誤解を恐れずに言えば、パスゲームに溺れるべきではない。サッカーはゴール前で一気にプレイ強度が高まる。真剣で斬り結ぶような緊張感において、ストライカーは決闘に怯まず、相手を仕留められる慈悲なき決定力が必要だし、ディフェンダーは相手の死に物狂いの侵入を退けるだけの、単純なパワーが求められる。

「W杯優勝」。大言壮語は結構だが、なにかが少しだけ、決定的にずれていた、と思う。

 インテンシティ。それはザッケローニが一番口にしていた言葉の一つだったが、今はそれが何を意味していたのか……分かりそうでさっぱり分からない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る