日本が最下位に沈んだ最大の理由。コロンビア戦全選手採点

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

岡崎慎司 6.5
同点弾のヘディングシュートは、岡崎ならではの味のあるシュートだった。試合を一瞬、盛り上げたが、その他のプレイはサッパリ。後半には中に入り込む時間が多かったため、布陣は4-2-3-1ならぬ4-2-2-2に「成り下がって」いた。相手が強かったことも確かだが、日本が自爆した試合と捉えたほうがいい。キチンと戦えば、もう少し良い試合ができた。僕はそう思っている。
FW
大久保嘉人 5 
4-2-3-1のサイドで起用されるより、のびのびとプレイしていたが、みんなが真ん中に入り込んでくるために、逆に攻撃は混乱した。なぜ揃いも揃って、みんなが中に入りたがるのか。トップ下にこだわるのか。変な幻想が日本のサッカー界にはいまだ確実に存在する。この癖をザッケローニは治せなかった。手も付けられなかった。放置していたと言ったほうがいい。コロンビアの攻撃との違いはそこになる。したがって日本がボールを奪われる場所は真ん中。詰まってボールを奪われ、コロンビアに逆襲を浴びる。後半はその連続だった。なぜそれが分からないのか。ザッケローニは何を見ているのか。選手もなぜそのことに気付かないのか。学習効果のない集団と言われても仕方がない。
交代選手
山口蛍 4.5 
終盤、ゴール前でボールを受けたが、シュートを狙わず無責任なヒールパスに及んだ。全体的にそつなくこなすが、決定的な仕事には関与しようとしないタイプに見えた。このままでは一流にはなれない。
柿谷曜一朗 5.5 
ロスタイム、交代で入った相手の大ベテランGKモンドラゴンに向けてシュートを放つがセーブにされる。コロンビアサポーターで埋まるスタンドを大喜びさせる結果になった。
清武弘嗣 -
監督
ザッケローニ 3 
推定年俸2億円、4年間の総額は8億円。それに相応しい監督だったとはまったく思えない。この4年間で試合後の監督会見に40回以上立ち会っているが、サッカー学の向上に役に立った台詞(せりふ)はひとつもなかった。良いことを言うなと感心させられたこともない。才気というものを感じないのだ。「おおやるな!」「そうきたか!」と思わせる意外性溢れるアイデアに出会った試しがない。コロンビア戦。1-2に逆転されれば、後がないチームの監督は一か八かの采配に打って出るものだ。4-3-3にしたり、3バックにしたり、ストライカーを2人並べたり、思い切った戦術的交代に出たり、無駄な抵抗と言われようがとにかく何か手立てを講じるものだ。ギリシャ戦では、それが「ハイボール作戦」だったワケだが、技術委員長にそれが禁じられたコロンビア戦では、打つ手なし。3人目の交代で香川に代わってピッチに登場したのは、使い道が見えない清武。観戦意欲はその瞬間、大いに減退させられた。

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