奇跡にかけるコロンビア戦。主将・長谷部誠の「決心」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 ギリシャと引き分けて、日本は勝ち点1にとどまった。決勝トーナメント進出に向けて、かなり厳しい状況に追い込まれた。グループリーグ3戦目、コートジボワールがギリシャに勝てば、その時点で日本の敗退が決まる。ギリシャがコートジボワールに勝つか引き分ければ、日本にもわずかに可能性は生まれるが、そのためにはコロンビアに点差をつけて勝たなければいけない。コロンビア戦に向けて、長谷部はどんな決意で挑むのだろうか。

「コロンビアは、どんどん前に出てくるチームなので、打ち合いになると思います。でもそこは、自分たちにとっても望むところ。ギリシャ戦のように、アグレッシブに前からいって戦えば、自分たちの力が存分に出せる相手だと思います。だから、自信を持って、がっぷり四つに組んで勝負したいと思います」

 ただ、気になるのは、選手たちのメンタルだ。絶対に勝たなければいけない試合をドローで終え、しかも攻撃的なサッカーを標榜しながら、得点はゼロに終わった。これまでやってきた自分たちのサッカーに対する自信を失って、士気が下がってしまうことはないのだろうか。

「いや、これで『終わった』と下を向くような選手は、このチームにはいないですよ。コロンビア戦は、やることがはっきりしていますしね。他力頼みになりますが、自分たちはとにかく勝たないといけない。たくさん点を取れれば、上にいける可能性がある。気持ちとしては、非常にクリアーです。コロンビア戦に向けて、チーム全員できちんと準備するという点において、自分はしっかりとリーダーシップをとって、先頭を切ってやっていかないといけない」

 6月22日のオフの夜には、決起集会を開いたという。追い詰められた中、長谷部はチームをどうやっていい方向に導いていくのか。大一番を前にして、“主将”としての手腕が問われる。

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