他国の選手にあって日本代表にないもの。ギリシャ戦全選手採点 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

交代出場

遠藤保仁 4.5
 
長谷部と遠藤でようやく1人前。つい1年ほど前まで、この2人は日本サッカー史上「最強のボランチ」と持て囃されたが、それはもはや遠い昔に感じられる。第1戦に続き、この日も遠藤は何も変えられなかった。衰えは隠せない。A代表出場歴ナンバーワン選手に相応しいベテランの味も発揮できなかった。痛々しい姿を露呈してしまった。

香川真司 4.5
 
ボールを持つときの姿勢が悪い。下を向いてしまうので、周囲との連携も取りにくい。ポジションワークも悪い。シュート力もない。プレイは試合を重ねるごとに退化している。
監督

ザッケローニ 3
 
終盤のハイボール攻撃が、ザッケローニの指示であることは間違いない。しかし、いまどき終盤ロングボールを放り込むスタイルはもはや旧バージョンのサッカーだ。あまりにも低級だ。そうした作戦をとる国を見かけることはほとんどない。しかも日本人選手の身長は総じて低い。高い巧緻性こそが最大の特長だ。相手に退場者が出て10人になったならば、数的有利を活かす理詰めの攻撃こそが、場に相応しい。もう一つの問題は、交代のカードを2枚しか切れなかったことだ。これは良い監督か、悪い監督かを見分けるポイントになる。試合後の会見でザッケローニはその理由を語ったが、とても納得できるものではなかった。ひと言でいえばアイデア不足。もっと問題視していい点だと思う。

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