他国の選手にあって日本代表にないもの。ギリシャ戦全選手採点 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

 もし11対11の戦いなら日本は負けていた。僕はそう思う。というわけで採点は今回も辛めになる。

GK

川島永嗣 7

前半40分、トロシディスの放った強シュートをファインセーブ。
DF

長友佑都 5.5

日本で唯一ボールを前に運べる選手。しかしながら、上記のピンチは彼の軽率なバックキックに端を発していた。

吉田麻也 5.5
 
終盤、前線に上がり、ロングボールの受け手となった。しかし、その作戦が通用するほど世界は甘くない。

今野泰幸 5.5

ロスタイムに入った92分、後方から、前線の吉田に向けて長いボールを縦蹴りしたが、それは彼ら言う「我々のサッカー」とは180度異なるサッカーだった。試合後の記者会見で、長身のギリシャに対して、なぜその作戦を使うのかを問われたザッケローニは、答えにならない答えを返していたが、同じことは第1戦のコートジボワール戦の終盤にも行なっていた。ならばどうして、ハーフナー、豊田陽平らヘディングの強い選手を選ばなかったのか。パスサッカーというなら、最後の1秒まで変なロングボールは入れるべきではない。率直に言って支離滅裂だ。今野のキックは、引き分けという結果と同じぐらい、こちらをがっかりさせた。

内田篤人 5.5

長友にも言えることだが、サイドバックがサイド攻撃の主役になるサッカーは古い。その単独攻撃では、選択肢は単純なクロスだけになる。その前方で構えるもう一人のサイドアタッカーとのコンビネーションで攻撃を仕掛ければ、サイド攻撃はより変化に富む。立体感が生まれる。だが内田、長友と、日本の4-2-3-1の3の両サイドとの連携は、ほとんど見られなかった。大久保と後半投入された香川にはその概念がない。これは日本のサッカーが進歩しない大きな要因の一つと言える。

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