コートジボワール戦後に思い出した豊田陽平の言葉 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

 心理的衝撃の強い試合は、現場の取材者の脳内に、無数のたら、れば、を発生させる。

「選ばれたら、日本のために戦います」

 W杯メンバー発表前、豊田陽平はその志を語っていた。

「僕をW杯の日本代表に選んでくれるなら……たとえピッチに立てなくても、なにかの役に立ちたい。対ドログバの練習台だってやりますよ。スタッフが要求した通りの動きをしてみせます。それが日本のためになるなら。まあ、代表に選ばれるような選手は、みんなきっとそういう身を捨てる覚悟を持っているでしょうけどね」

 この期に及んで、何かが決定的に変わることはない。陳腐な打開策だが、やはり覚悟を固めるしかないだろう。19日(現地時間)、同じく初戦で敗れたギリシャと、生き残りを懸けた一戦になる。


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