ザックジャパン、W杯本番へ気になる4つのポイント (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

(2)ボランチのポジション争いは?

 センターバックと同様、ポジション争いの行方が難解になってきたのがボランチである。従来は長谷部誠と遠藤保仁のコンビが"鉄板"だったが、ここに来て山口蛍が存在感を強めている。昨年11月のオランダ戦以来、5戦連続先発出場中の新鋭ボランチは言う。

「ワールドカップメンバー23人のひとりとして来ているので試合に出たいと思うし、こうやって試合を重ねるなかで自覚のようなものを感じている」

 だが、鉄板コンビを脅かしているのは山口だけではない。先日のコスタリカ戦で先発した青山敏弘もまた、持ち味を発揮。主に攻撃の組み立てで、鋭い縦パスを連発した。青山は「自分が出ている時間にリードされて交代したのは悔しい」としながらも、前向きにこう語る。

「(自分の特徴である)ゴールに向かう姿勢は出せた。100%チームコンセプトどおりにプレーできれば、もっと自分のよさは出ると思う」

 以前に比べると、遠藤のプレーには安定感が欠け、長谷部は負傷から復帰したばかりでコンディションに不安が残る。昨年8月、日本の東アジアカップ初優勝を支えた山口+青山のコンビがワールドカップでも揃ってピッチに立つ可能性は十分にあるだろう。

(3)負傷者の回復状況は?

 今年に入り、吉田、長谷部、内田篤人と負傷による長期離脱が相次ぎ、心配されたが、先月のキプロス戦で揃って復帰。焦ることなく、慎重に完全復帰への道を歩んでいるという状況にある。

 吉田については、すでにコスタリカ戦でフル出場しており、問題はなさそう。また、内田はフル出場こそしていないが、「(出場時間は)監督に任せている。(フル出場で)行けと言われれば行く」と、すでに準備が整っていることをうかがわせている。

 その一方で、心配なのは長谷部である。

 キプロス戦では後半だけに出場し、鋭い動きを見せていたものの、その反動が出たのか、コスタリカ戦はスタンド観戦。本人は「体の張り」を理由に挙げているが、2度にわたって手術した右ヒザに問題が発生したのだとすれば一大事。復帰に長い時間を要する可能性もあり、まだまだ不安を残している。

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