本田圭佑主体の日本代表は限界である。キプロス戦全採点 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 梁川剛●写真 photo by Yanagawa Go

岡崎慎司 5 
今季のブンデスリーガで15ゴールを挙げ、得点ランキング7位に輝いた選手。一皮剥けた感のある、いま日本人選手で最も勢いのある岡崎だが、代表チームの中に入ると、従来のヒエラルキーの中に収まってしまう悲しさがある。この試合でも典型的な"いい人"ぶりを発揮した。「俺に寄こせ!」と、ストライカーらしい良い意味での傲慢さは見せずじまい。危険な香りを漂わせずに終わった。俺様的なプレイを好む本田が、その周辺に絶えずいるためだろう。地味な役回りに徹することになるのは。前回、最も勢いのあった本田をトップで起用した岡田さんに倣い、岡崎もトップで起用するべきではないか。試合の途中からでもいい。日本を救うのはそのノリの良さしかない。岡崎もそれを自覚し、もっと偉そうにプレイすべきだ。
本田圭佑 4.5 
これほど脆弱な本田を見た記憶はない。足下がフラフラ。何よりバランスが悪い。足先だけで誤魔化している感じ。フィジカルコンディションが悪いというより、身体が動かなくなってしまっている感じだ。躍動感、強引なプレイ、強シュート、ドリブル、逆サイドを見る視野の広さはどこへやら。痛々しい姿をさらけ出してしまった。ザックジャパンを僕はかねがね本田ジャパンと皮肉混じりに述べてきた。本田のワンマンチーム同然に見えたからだが、本番を迎えるに当たり、それでは世界に通用しないと僕は見る。本田はもはやかつての本田にはあらず。少なくとも4年前のレベルにはほど遠い。身体にすっかりバネ、元気がなくなっている。本田中心のチームに本田自身が耐えられなくなっている。
FW
柿谷曜一朗 5 
プレイに関与する時間、機会に乏しい。チーム最大の得点源はストライカーである。チームで一番偉いのは中盤ではなくストライカー。本田、香川ではなく柿谷なのだ。そうした概念が日本の攻撃陣には欠けている。中盤至上主義にどっぷり浸かってしまっている。前回、岡田さんが採用した本田の0トップはそうした意味で理にかなっていた。中盤至上主義を逆に利用する方法と言えた。だが、ザッケローニにその頭はない。本田もトップを任せられる状態にはない。センターフォワード候補である柿谷、大迫勇也、大久保嘉人、そして岡崎は、もっと文句を言うべき。本田以下に注文をつけるべきだ。そうでないと劣化した攻撃陣を立て直すことは出来ない。

交代選手
長谷部誠 5.5 
思ったより動けていたが、相手が交代のカードを次々に切ってきた中でのプレイだけに、全面的に信用するわけにはいかない。

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