ザックジャパンの窮地を救うのは、闘莉王しかない (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

   巷では、川崎フロンターレの大久保嘉人を選出するべきだ、という声も多いようだが、代表チームによりフィットするのは、浦和レッズの李忠成だ。

 4-2-3-1の「3」の左を務める香川は、試合中のほとんどの時間を、そのポジションから離れて、真ん中でプレイしている。結果、日本代表の左サイドは、左サイドバックがひとりしかいない時間帯が非常に多い。高いレベルの戦いになればなるほど、これは大きな問題になる。そこで、準備しておきたいのは、香川に代わる人材。それが、李だ。

 李は、ある意味でザッケローニ監督の“恩人”でもある。2011年1月のアジアカップ決勝戦。vsオーストラリア戦で決勝ゴールを決め、劣勢な状況を救ったのは、李の左足だ。長友のセンタリングから鮮やかなボレーシュートを決めた。代表チームにとってはもちろんのこと、何よりザッケローニ監督にとっては、まさに値千金の一発だった。

 というのも、あのアジアカップの優勝で、ザッケローニ監督の評価が決定的なものになったからだ。もし敗れていれば、ザッケローニ監督に現在の居場所はあっただろうか。そのことを考えたら、李が復調した今、ザッケローニは彼を選ばずにはいられないのではないだろうか。

 はたして、ザッケローニ監督の選択はいかに。

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