2014.05.06

長谷部、内田、吉田不在のベストメンバーを考える

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

  続いてセンターバックの吉田麻也の代役だが、ここには森重真人を推す。

 現在Jリーグでプレイするセンターバックの中では、高さや強さといった守備能力だけでなく、ビルドアップのセンスを備えた森重はタイプとしても吉田の代役に適任。守備時の1対1の能力、特にスピード面においては吉田よりも上だろう。

 また、センターバックのパートナーとなる今野泰幸とは、今野がFC東京在籍時に長くコンビを組んでおり、互いの特徴を把握できていることもアドバンテージとなる。ただし、森重が先発に繰り上がることで、控えセンターバックの手薄感は否めない。

  残るは右サイドバックの内田篤人だが、ケガの具合が不安視される3選手を欠いた場合、最も穴が大きいのはこのポジションだと考えている。

 柏レイソルで急成長を遂げた酒井宏樹がドイツへ渡り、一時は内田に取って代わるのも時間の問題かと思われたが、少なくとも日本代表でのパフォーマンスを見る限り、内田との差は大きい。それは左右どちらのサイドバックもこなす酒井高徳にしても同様だ。代役候補の一番手は酒井宏だろうが、攻守両面でスムーズさを欠く危険性がある。確実性を取るなら、日本代表でのパフォーマンスが安定している駒野友一が現実的な選択かもしれない。

 昨年6月のコンフェデレーションズカップを境に新戦力の登用が進んだ日本代表だが、酒井宏と駒野に象徴されるように、新戦力が際立ったパフォーマンスを見せているわけではない。チームとしての出来で考えたとき、むしろ”コンフェデ以前”のほうが総じてよかった。要するに、酒井宏よりも駒野がプレイしていたときのほうが、チームとしての機能性は高かったということだ。

 それは1トップにおいても言えることで、柿谷曜一朗や大迫勇也が起用された試合において、前田遼一が出場していたときを超えるチームパフォーマンスは示されていない。

 とりわけ前田の有無に影響を受けているのが、香川真司。背番号10の動きを見ながらバランスを取ってくれる前田がいることで、香川は気持ちよくプレイできていた。柿谷や大迫の個人能力は認めたうえで、1トップには前田を起用することがチームとしてのパフォーマンスを高める最善策だと思う。

 最後にサブメンバーについて。内田が欠けることによってひとつ空く23人枠には、森脇良太を推したい。

 事前のキャンプ期間も含め、日本代表として長期間活動することになるW杯では、チームを盛り上げるムードメーカーの存在は重要。その点、日本が優勝した、2011年1月のアジアカップや、昨年7月の東アジアカップにおける森脇の貢献度は大きかった。

 中盤で常に安定したプレイが計算でき、チームに安心感を与える中村憲剛とともに、ぜひともサブに加えたい。

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