最後の代表候補合宿終了。ザッケローニの思惑以上の成果あり?

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 梁川剛●写真 photo by Yanagawa Go

 ほとんど閉じられたかに見えた代表の扉が、決して広くはないが、開いているのが感じられたのかもしれない。槙野(浦和)が「この3日間でどうってことではなく、本当の勝負はこれからだというのは、みんなが感じていると思います」と力を込めれば、齋藤も「今日がすべてじゃないと思う。ここからマリノスに戻ってどれだけ出来るか。オリンピック前の永井(※)くんみたいに点を決めて乗っていれば呼びやすいと思うし、ああいう選手になれればと思う」と今後のアピールを誓った。

※ロンドン五輪直前に招集され代表に選ばれた永井謙佑(名古屋)

 もちろん、この合宿を踏まえ、ザッケローニ監督は改めてベテラン選手の必要性を感じたかもしれないし、前回大会を経験した中村憲剛、駒野友一、大久保嘉人らも、ワールドカップを決して諦めていないはずだ。

「最終オーディション」が終わった。あとは1ヵ月後のメンバーの発表を待つばかり――といった雰囲気がなく、サバイバルがまだまだ続きそうな気配が漂っているのも、今合宿の成果だと言える。ワールドカップ直前までJリーグが一層加熱するのは間違いなさそうだ。

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