最後の代表候補合宿終了。ザッケローニの思惑以上の成果あり? (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 梁川剛●写真 photo by Yanagawa Go

 今回の合宿メンバーが発表されたときには、新戦力を試すにしても、主力選手と一緒にプレイさせて連係を確認したりするほうが有意義ではないかと思われた。だが、もしそうしていたら、ニュージーランド戦の二の舞いを踏んでいた可能性もあったのだ。

 もっともこの合宿に参加したメンバーがワールドカップの23枠に食い込める可能性は、それほど高くない。第3GK候補の権田修一(FC東京)を除くとせいぜい2人。誰も選ばれないということもあり得るだろう。ただし、予備登録選手30人ということになれば、話は変わってくる。

 現在、ザックジャパンのレギュラー陣にはケガ人が続出し、長谷部誠、吉田麻也、内田篤人の3人は懸命にリハビリに励んでいる。5月に復帰し、ワールドカップには間に合うと言われているが、キプロス、コスタリカ、ザンビアとの親善試合でケガが再発してしまう可能性もなくはない。また、彼ら以外のメンバーにアクシデントが起きるかもしれない。

 ザッケローニがそうした場合に備え、コンディションと調子が良く、急なタイミングでのメンバー変更にも対応し、チームに勢いをもたらしてくれそうな選手を探している、という見方も出来るのだ。つまり今回は、23人だけでなく30人の枠を見据えての合宿だったのかもしれない。

 ちなみに前回、南アフリカ大会の予備登録選手は、徳永悠平、槙野智章、小笠原満男、石川直宏、香川真司、前田遼一、田中達也の7人だった。このうち小笠原と槙野の2人はワールドカップイヤーになって初めて岡田ジャパンに招集されているのだ。今回、初めて招集された選手が30人枠に入る可能性は、十分あるだろう。

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