遠藤保仁が分析「今の日本代表は、まだまだ発展途上」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Yuihci Masuda

 セルビア、ベラルーシ戦でトライしたものが、1カ月後のオランダ戦、ベルギー戦ではうまく生かせたということなのだろうか。

「そうだね。セルビアとベラルーシに負けたことで、何ができて、何ができなかったのか、みんな、改めて分析することができたんだと思う。それにプラスして、オランダとベルギーは世界のトップチームなんで、『やらないといけない』という危機感もあった。それが、結果として表れたのはよかった。あと、新しい攻撃の形も見えた。オランダ戦の2点目のように、ウッチー(内田篤人)が切れ込んでいって、大迫(勇也)に当てて(本田)圭佑がゴールを決めたのがあったけど、ああやって(何人かの選手が)うまく連動してゴールを奪う形が生まれた。

 だからといって、すべてが好転したとは思っていない。たまたま、自分たちの形にはまっただけ、というのもある。後半は相手の運動量が落ちていた。まだまだ修正すべきところはたくさんあるよ。2試合とも、ミスが絡んで失点しているし、ベルギー戦では前半、かなり押し込まれたし。コンフェデからは一歩進んだと思うけど、チームはまだ、発展途上にいる、ということに変わりはないね」

 遠藤はよく「チームは生き物だ」と言っている。それはつまり、チームというものは、いろいろな影響を受けることで、良くも悪くもなるし、常に変化しているということだ。オランダ、ベルギー戦で、ひとまず悪い流れを断ち切ったとはいえ、今後もチームが成長するかどうかは、これからの取り組み次第ということなのだろう。それが「発展途上」という言葉の真意に違いない。

 だが、ブラジルW杯開幕まで、残された時間はごくわずか。それまでに、どのようにしてチームを完成形に導いていけばいいのだろうか。
(つづく)

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