ミラン本田圭佑に要求される「最低限の数字」とは

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

現地時間1月4日にイタリア入りした本田圭佑。現地時間1月4日にイタリア入りした本田圭佑。 本田にとってミランは、自らの持ち味を発揮できるチームだと思うが、短期間でチームメイトや監督の信頼をつかみ、イタリアのファンに認められるには、やはり結果を出すことが大切だ。本人もそれは、オランダやロシア時代にも肌で感じてきたはずだから、重々承知していると思う。

 とすれば、残りのシーズン(第19節から出場してリーグ戦は20試合)で、背番号「10」と同じ数とまでは言わないが、7ゴールくらいは記録してほしい。5ゴール記録できれば十分に合格点だと思うけれども、7~10点取れたら、誰も文句は言わないだろうし、チームの躍進にもつながると思うからだ。

 チームに溶け込めるかどうか不安視する人もいるようだが、その点はまったく心配しなくていいと思う。本田は、集団の中に入っていく能力を持ち合わせている。オランダでも、ロシアでもすぐに結果を出して、中心選手として活躍できたのが、その証。

 唯一注意すべきことは、FKのキッカーを決める際などで、自分勝手に我を通し過ぎたりしないこと。あまりにも融通の利かない選手に対して、イタリア人はキレやすい。引くべきところは引いて、わがままを言い過ぎるのは避けたほうがいいかもしれない。特にミランは、イタリアの強豪クラブの中でユーベに続いてイタリア人選手が多い。彼らには、ピッチの内外で気を使って、うまく付き合っていったほうがいいだろう。

 また、W杯開幕までおよそ半年前の移籍を心配する声がある。本田は前回、2010年南アフリカW杯の半年前にもオランダのVVVからロシアのCSKAモスクワに移籍しているが、前回と今回では日本代表での立ち位置が異なっているからだ。

 前回は、まだ日本代表でレギュラーだったわけではなかった。CSKAに移ってチャンピオンズリーグに出場し、セビージャ(スペイン)戦でFKを決めるなど、欧州で結果を出したことが代表でのレギュラー奪取につながった。いわば"賭け"に勝った形だった。

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