強豪相手にどう勝つか。内田篤人が手にした「解答」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ミスを引きずっていたという内田だったが、後半はうまく気持ちを切り替えられたのか、積極的なプレイを披露。15分、自らのミスを取り戻す働きを見せた。

 遠藤保仁からの長いボールを受けた内田は、前線の岡崎慎司にくさびのパス。岡崎がそのボールを本田圭佑にはたいて、本田は中央に切れ込んできた内田に再びダイレクトパスを出すと、内田はスペースに走り込んできた大迫勇也にスルーパス。大迫がアウトサイドではたいたボールを、最後は本田がダイレクトでシュートを決めた。攻撃に絡む選手たちが綺麗な"三角形"を維持して、見事な連動から生まれたゴールだった。

「あれは、オレの中ではイメージどおり。オカちゃん(岡崎)から流れてきたボールを受けて、大迫が(ペナルティーエリア内に)入ってきたのがチラッと見えたんで(パスを)出した。あとは、前の選手たちの技術の高さです。まあでも、こういう形というか、いろいろな選手が顔を出して、ペナルティーボックスの中に入っていけると、シュートチャンスも増えてくると思う」

 こうした攻撃の形は、10月の欧州遠征、セルビア戦(0-2)やベラルーシ戦(0-1)では見られなかった。それが実践できたのは、なぜだろうか。

「今回の遠征の練習は、結構ゲーム形式の練習が多かったんですよ。その中で自分たちの感覚が合ってきたのかなって、個人的には思っています。戦術どうこうよりも、肌を合わせていく感じですね。特にオレが絡んだゴールは、守備の連係から生まれたゴールなんで、練習の成果が出たのかな、と思います」

 ザッケローニ監督の要求は、攻守それぞれにおいて細かく、グループごとに同じ形を繰り返して練習することで、選手たちは求められるスタイルを習得していく。そのせいか、これまではゲーム形式の練習はそれほど多くなかった。だが、ゲーム形式の練習が増えて、それまでに身につけたものが、選手間で、互いの肌で感じ取ることができたのだろう。それが、実際の試合でもうまく絡み合って、機能し始めたのかもしれない。

「でも(オランダに)2-2に追いついてから、勝ち切れないのは問題でしょ。監督も言っていたけど、日本は何回もチャンスを作れないと点が取れない。決定力がないと言われ、少ないチャンスで点がとれない。そこは、日本の大きな課題だと思います」

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