W杯抽選直前。日本はブラジルと同組がベスト

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • FAR EAST PRESSS/アフロ●写真

 確かなことは言えないけれど、聞くところによれば、それはない話ではないのだ。開催国には対戦相手を選ぶ権利がある。これは記者の間では暗黙の了解になっている。抽選にはどうやらカラクリがある。98年大会のフランス(デンマーク、南アフリカ、サウジアラビアと同組)、06年大会のドイツ(エクアドル、ポーランド、コスタリカと同組)の例がそれを物語っている。なにを隠そう、欧州の現地記者に尋ねて「お前、そんなことも知らないのか?」と馬鹿にされたことさえある。

 第3ポットは、北中米カリブとアジアの各4ヵ国で成っている。この中で、ブラジルが日本を「指名」してくる可能性は、実際、大いにある。メキシコ、アメリカはそれなりに強い。最悪、引き分けがあり得る相手だ。

 韓国も対戦を避けたい相手だ。プレイが激しいからだ。10月に行なわれたフレンドリーマッチ(結果は2対0でブラジルの勝利)でも、ずいぶん削られたという。勝てるだろうがリスクの多い相手だ。日本と同一線上で並ぶのは、イラン、豪州、コスタリカ、ホンジュラス。この中で過去1年とちょっとの間に2度も対戦し、勝利を収めているのは日本だけだ。日本はブラジルから狙われている国の一つであることは疑いようがない。

 となると日本の1敗は確実。しかも0対1では済みそうもない。日本の決勝トーナメント進出は危うくなるわけだ。だがブラジルには残る2ヵ国も選ぶ権利がある。巷間伝わる話が事実だとすれば。ブラジルは戦いやすい相手を選んでくることが予想される。それは、日本にとっても強敵が同じグループに入ってこないことを意味する。

 第2ポットで言えば、アフリカ勢の中で最も弱そうな国(カメルーン、アルジェリア)が候補になる。

 第4ポットでは、欧州勢の中で最も弱そうなチームが候補になる。少なくともオランダ、ポルトガル、ロシア、イタリア、フランスはないだろう(ちなみにロシアとは、今年3月に対戦し1対1で引き分けた過去がある。内容的には負けに等しい戦いを演じている)。

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