川島永嗣からは見えていた「守備の穴」と「攻撃の欠陥」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano MIKI

「そうですね……。ベラルーシは直前のW杯予選でスペイン相手にいい試合をしていた(ホームのスペインが2-1で勝利)。選手個々が、非常に粘り強く戦っていた。とはいえ、日本としては勝たなければいけない相手。そういうチームに負けると、自分たちの力のなさを感じてしまうし、自信も揺らいでしまう。いくらいいサッカーをしても結果的に負けてしまうと、6月のコンフェデレーションズカップ(以下、コンフェデ)のイタリア戦(3-4で敗戦)と同じように、『日本はいいサッカーをするけど』という評価で終わってしまう。そこで、結果を出さないと意味がないし、結果を出せなければ世界を驚かすことはできない」

 勝利をつかみ、攻守における課題を克服する目論みは、10月の欧州遠征では果たせなった。ザックジャパンは大きな不安を抱えたまま、現地11月16日のオランダ戦、19日のベルギー戦に挑むことになる。川島はその重要な2試合について、どう捉えているのだろうか。

「日本代表としては、今年最後の試合になるし、いろいろな意味で大事な試合になると思います。しかも、相手はコンフェデで戦ったブラジル、イタリア、メキシコ、そして8月に対戦したウルグアイと並ぶ強豪。そういう相手でも、自分たちのつなぐサッカーを貫いて、ゴールに向かう姿勢を見せられるか。そして、実際にゴールを挙げることができるか。チャレンジしなければいけない。

 守備では、相手が強くなればなるほど、隙を見せるとやられてしまうので、いかに隙を見せずに集中して戦えるか。今までやってきた守備の意識を高めて、どれだけお互いをカバーし合って失点を防ぐことができるか。そこは、しっかり締めてやっていきたい」

 川島の言う、攻守の課題克服は確かに重要だ。しかし今、日本代表に欠けているのは、チームがひとつになって戦うことではないだろうか。オランダとベルギーは、選手ひとりひとりが結束し、チームが一枚岩になっていなければ、とても敵わない強豪である。

「(チームの)雰囲気は、気持ちひとつで変われると思うんです。みんなが戦う姿勢を見せることができれば、ピリッとしてくる。そして、その姿勢を90分間貫くことができれば、結果もついてくるはず。とにかく、W杯で勝つためにどうするのか。それを見極める最後の舞台になると思うので、しっかりと戦って、W杯で勝つための“道”が見つかればいいと思います」

 攻守に課題が露呈し、チームがバラバラになりかけている日本代表。マイナス要素ばかりが取り沙汰される中、世界トップクラスとの対戦が、チームをひとつに結束させるチャンスとなるのか。もしそれが実現できれば、失いかけた自信も取り戻せるかもしない。

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