森重&工藤は好感触。「真の初陣」でアピールできた新戦力たち (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi photo by AFLO

 修正点として挙げたのは、周囲との連係と中央への入り方。そして、ポジション奪取への思いも口にした。

「流れの中で、トップ下とセンターフォワードとのコンビネーションの中にどう入っていくのか。ワイドの位置で起点になりながら、いざ真ん中を崩すときには、どう入っていくのか。もっと詰めていかなければならないと思います。今日、出場機会をもらえたのは自信になりましたけど、これでオカさん(岡崎)のポジションを脅かすということにはならないと思うので、与えられたポジション、時間の中で一歩、一歩やっていくことが近道だと思います」

 森重、工藤のほかにもこの日、東アジアカップ優勝メンバーの大迫勇也と青山敏弘がピッチに立った。

 前半45分間プレイした大迫は、5バックの相手に苦しみ、なかなかスペースを見出せなかったが、得意のターンから2度、フィニッシュまで持ち込んだ。

 一方、遠藤保仁に代わってボランチに入った青山敏弘は、11分という短い時間の中で遠藤とは違ったテンポの縦パスで存在感を示している。

 ワールドカップまで残り9ヵ月。残された時間は決して長くはないが、振り返ってみれば、2009年9月の時点でベンチを温めていた本田、阿部勇樹、川島永嗣が、翌年のワールドカップでスタメンとして決勝トーナメント進出の立役者になるとは、想像もつかなかった。

 チーム力の底上げのカギは、新戦力が握っている。東アジアカップに出場したメンバーから、少なくともふたりは来年、ブラジルのピッチにスタメンとして立っていることを期待したい。

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