森重&工藤は好感触。「真の初陣」でアピールできた新戦力たち (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi photo by AFLO

 今野が投入された75分以降は、4−2−3−1から3−4−3にシフトチェンジして戦った。4バックにも、3バックにも難なく対応できるのも、森重の強みのひとつ。左に吉田麻也、右に今野を従え、3バックを統率したのは森重だった。

「両方できることをアピールできたのも良かったです。時間が短かったし、攻撃している時間のほうが長かったので、なんとも言えないですけど、今日の感じでは悪くないかなって思います」

 この日、押し出される形になった今野は、森重の実力をよく知る人物のひとり。FC東京時代に2年間、センターバックでコンビを組んだ元相棒について、こんな風に評価した。

「つなぎはうまいし、俺にはない強さも持っている。完璧な選手だと思う」

 守備の機会がほとんどなかたったため、未知数の部分は多い。だが、攻撃の起点になることも求められるザックジャパンのセンターバックとしての資質を備えていることは間違いない。今野と吉田のふたりに割って入る可能性は十分に示したのではないか。

 一方、岡崎慎司に代わって、62分から右サイドハーフに入ったのは工藤壮人だ。

 7分後には、香川のクロスにニアで合わせて、さっそくゴールを奪ってみせた。ポイントへの入り方、泥臭さといった点で、『らしさ』の詰まったゴールだった。

「きれいなゴールじゃなくても、1点は1点。そうした気持ちはいつも持っています。あそこに突っ込んで行くのが自分のスタイル。それをみんなに分かってもらえるように、明日からまたアピールしていきたい」

 東アジアカップでは、3試合すべてに出場している。そこにザッケローニ監督の高い評価が感じ取れるが、常連組に混じった試合では、ブルガリア戦とウルグアイ戦でベンチを温め、オーストラリア戦ではベンチ外の憂き目に遭っていた。今回の親善試合(ウルグアイ戦&ガーナ戦)には強い決意を持って臨んでいたことを明かす。

「ベンチに座りに来たわけではないですし、絶対に出場しなければならないという気持ちで合宿に来ました。結果を出さなければならないと自分にプレッシャーを掛けていたので、結果を出せて良かったです」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る