岡崎慎司が語る「新生1トップ~柿谷・豊田の生かし方」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 確かに33分、日本の最初の決定機は、岡崎と柿谷のワンツーから生まれたものだった。前半の終了間際にも、右サイドに開いた柿谷が相手を引きつけて岡崎にパスを出し、フィニッシュまで持ち込んでいる。

 続いて豊田について。岡崎は自身との相性の良さを、より一層感じているようだ。かつての同僚を例に出し、崩し方のイメージを説明した。

「僕はトヨくん(豊田)を越えた裏をいつも狙っていて、それは何度か成功したと思う。トヨくんはヨーロッパタイプのストライカーという雰囲気で、イビシェヴィッチ(現シュツットガルト)と同じタイプかなって感じた。ファーで待っていたいようなので、次からはクロスが上がった瞬間に、入れ替わるように僕がニアに入って行く。そういうのを今日、感じられたのは収穫です」

 大敗に終わったウルグアイ戦。岡崎が最後に強調したのが、「厳しく要求し合うこと」だった。

「もっとやれることがいっぱいあると思うので、要求し合って、みんなで高いところを見ていかなければならない。ディフェンス陣は失点してはいけないし、攻撃陣は簡単にボールを奪われてはいけないし、点を取らなければならない。そういうところを厳しく指摘し合って、各自、クラブでもやっていくしかない」

 さらに、「点の奪い合いになっても勝つぐらいの気持ちで、決定機をモノにしたい」とも言った岡崎。失点がかさみ、「攻撃的なスタイル」というコンセプト自体が揺らぐなか、自身がゴールを奪うことで、スタイルの正当性を証明するつもりだ。


■出場選手採点(採点は10点満点、平均は5.5)

GK 川島永嗣 4.5
  好セーブを連発したが、逆を取られた2失点目は大失態。フィードもつなげなかった。
DF 内田篤人 5
  3度ボールを相手に渡してしまったが、絞っての守備、攻撃のサポートで貢献。
  (駒野友一 5)
  21番のストゥアニを警戒し、攻撃参加できず。寄せも甘く、シュートを打たれた。
  吉田麻也 4
  軽率にラインを上げて裏を取られた。追うスピードを緩めたのもいただけない。痛恨のクリアミスも。
  (伊野波雅彦 5)
  対人やスピード勝負で相手に振り切られそうになる場面が何度かあった。
  今野泰幸 5
  右へ、左へカバーに奔走。体をぶつけたが、なかなかボールを奪えなかった。
  酒井高徳 4.5
  とんでもないバックパスミスを犯し、背後の守備の甘さものぞかせた。
MF 長谷部誠 4.5
  攻撃でパス回しに絡めず、カウンターへのケアも甘い。攻守において中途半端な出来に。
  (山口螢 5)
  フリーだったが、安パイなプレイに終始。もっとリスクを冒せたはず。
  遠藤保仁 5.5
  ミスもあったが、ワンタッチパスで左サイドを活かす。積極的に前線へも飛び出した。
  本田圭佑 5.5
  1得点1アシストも、パスコースを切ったり、サイドへの追い込みが少なく、守備面が気になった。
FW 岡崎慎司 6
  切り込んでいくドリブル、飛び出し、柿谷との連係など、随所で存在感を示した。
  柿谷曜一朗 5
  動き出してもボールが出てこない場面も。守備面でもう少し貢献したい。
  (豊田陽平 5.5)
  効果的なクロスが来なかったが、存在感を示し、可能性を感じさせた。
  香川真司 6
  キレはあったが、自ら密集に突っ込んで行き、難しいプレイをし過ぎた。

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