ウルグアイ戦、ザッケローニ監督は選手の「序列」を壊せるか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 ところが、実際にメンバーが発表されてみると、実に6人もの選手が再び日本代表に名を連ねた。東アジアカップ組がザッケローニ監督にかなりのインパクトを残していたことがうかがえる。

 コンフェデレーションズカップでの惨敗で、少なからず停滞ムードが漂う日本代表にあっては、歓迎すべき状況である。

 ただし、呼んだだけでは意味がない。実際に試合で試してこそ、彼らが本当の意味で新戦力となりうるか否かを判断できる。

 幸いにして、と言うべきか、今回のウルグアイ戦は試合前日に全選手が揃うという状況にあり、準備時間は極めて短い。(9日に開幕したブンデスリーガのクラブに所属する選手のうち、内田篤人ら11日の試合に出場し合流が遅れた選手もいた)

長友佑都と話すザッケローニ監督。既存メンバーと新ンメンバーのバランスはどうなるのか長友佑都と話すザッケローニ監督。既存メンバーと新ンメンバーのバランスはどうなるのか ザッケローニ監督も「チームに対しては多くを要求できない」と語っている。だとすれば、新戦力を試す絶好の機会ではないだろうか。従来の主力組を多く起用し、何となく帳尻を合わせた内容にしたところで意味はない。

 何より指揮官自身が6月のワールドカップ最終予選イラク戦を前に、「コンフェデまでは、これまで戦ってきたグループ、主役を演じてきた選手で臨むが、その後は全員がスタート地点に戻って競争が始まる」と語っている。この言葉を素直に受け取れば、これまでの"序列"は崩されなければならないはずだ。

 ザッケローニ監督はウルグアイ戦の前日会見で、「新しいメンバーを受け入れる態勢は整っている」とし、「入ってきたメンバーは能力が高いので、チームに馴染むのは難しい作業ではないと思っている」と話した。この言葉が建て前ではないことを、ぜひとも実際の新戦力起用によって示してもらいたいものである。

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