ザックJは新たな代表候補の発掘をやめるべきではない

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Fujita Masato

「個人の力を試す機会」

 アルベルト・ザッケローニ監督が代表底上げを目論み挑んだ東アジア杯が終わった。

 結果は2勝1分けで大会初優勝。得点王に柿谷曜一郎、MVPには山口螢が選ばれた。二人以外にも大会で頭角を現した工藤壮人、豊田陽平、齊藤学、山田大記、高橋秀人、森重真人らは貴重なバックアッパーになっていくに違いない。サッカーファンの間ではもはや諳(そら)んじられるザッケローニの"正規イレブン"はなかなか揺るがないだろうが、東アジア杯組には彼らからポジションを奪うような台頭が望まれる。

 豊田陽平と抜群のコンビネーションを見せる水沼宏太(鳥栖) 豊田陽平と抜群のコンビネーションを見せる水沼宏太(鳥栖)「候補メンバーは勢揃いした。W杯メンバー23人に絞り込むため、ここからはふるいにかけられていく」という話も伝わる。

 しかし本大会まで残り1年弱となり、今からのスカウティングこそが非常に重要になるのではないだろうか。コンフェデ杯において、日本は3連敗という現実を突き付けられており、現状維持は好ましくない。東アジア杯組は当然として、他の候補選手にも目を配るべきだ。ザッケローニ体制で未招集選手がW杯に行くとしたら多くて2人、ゼロの可能性の方が高いが、新陳代謝なしで競争力は生まれない。

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