代表セカンドGK、西川周作が東アジア杯で実感したこと (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Fujita Masato

 国内組のみで構成された代表メンバーで参加した東アジア杯は、西川にとって大きな意味を持つものだった。西川はW杯最終予選のときから、「東アジア杯で頑張ります」と口にしていた。メンバーを固定して臨むことが多いザックジャパンにおいて、試合に出場できる数少ないチャンスだと踏んでいたからだろう。

 初戦の中国戦では無事にチャンスをつかんだ。続くオーストラリア戦でも当然スタメンだと思っていたが、ふたを開けてみればベンチだった。試合後の第一声は「いや、試合に出たかったです」と、素直だった。その後も何度か、同じ言葉を繰り返した。

 西川は最終戦の韓国戦で再びピッチに立った。初戦で3失点していただけに、目標はシンプルに「無失点」だった。だから2-1で勝利したにもかかわらず、その1失点が気になって仕方がなかった。

「勝ったのはオッケーなんですけど、前半は何もできなかったなというのが、みんなと話していたことです。ああいう苦しいときに失点しないことが大事だし。こういうアウェーの環境では自分たちはいつもやられている。海外組が来ていても、超アウェーでは結果が出てないんです。反省のほうが多いですね」

 大会初優勝という結果は手に入れた。表彰台の中央で、西川は笑顔を弾けさせた。それでもその結果について、心底納得しているわけではない。

「優勝は最低限の目標で、それが国内組で戦う今大会のモチベーションだったから、結果は結果で良かったのかな。これで結果を出さなかったら、周囲から何を言われてもおかしくなかったから。まあ、明確な課題も見えたし、チームで頑張ることから、ですかね」

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